マカオ(澳門)

 

マカオは中華人民共和国の特別行政区の一つです。元々はポルトガル領でイギリス領の香港と同様に1999年12月20日までポルトガル領だったことになっていますが、いち早く国力が低下したポルトガルは1979年に中華人民共和国へのマカオ即時移譲(返還)を申し込んでおり、香港市民の動揺を恐れた中華人民共和国側がポルトガルの統治を望み、主権は中国、統治権はポルトガルと言う状態を続けたようです。

1503年にポルトガルが初渡来し交易を始めて、1557年に明から居住権を受けたポルトガルは、マカオを中国大陸のヨーロッパ人居留地としました。フランシスコ・ザビエルもマカオを拠点としていました。その後、1842年にイギリスがアヘン戦争で香港島を獲得すると、ポルトガルは「マカオ自由港」の成立を宣言し中国人の税関官吏を追い出して、1887年にタイパ島とコロアネ島を植民地としました。

第二次世界大戦においてはポルトガルが中立国であったために日本と交戦もせずにマカオは各国領事館のスパイ活動の舞台になります。また大戦後はポルトガルが独裁政権下にあり、中華人民共和国との国交を持たず、1979年にようやく中国との国交を樹立しました。

現在のマカオは、2050年までポルトガル統治時の法律がそのまま適用され、住民にも自由が保障されていますが、公用語のポルトガル語はほとんど聞かれず、主に香港の広東語を使っているようです。2005年にはこの古い植民地時代の街並みのいくつかがユネスコの世界遺産になりましたが、街を歩いてもその遺産がよく分からない感じでした。
香港からは1時間の高速艇が24時間運行されており、2006年にはアメリカのラスベガスを抜き、世界一のカジノ都市となりました。

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