新約聖書とコーラン

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これはコーランの中にある記述で、ムハンマドはユダヤ教のモーゼ、キリスト教のキリストに続く同じ神の予言者であるためイスラム教にも「最期の審判」があります。また、イスラム教は異教徒との結婚を禁じていますが、同じ理由でユダヤ教徒とキリスト教徒との結婚は可能です。しかしイスラム教は一夫多妻を認めていますので、このことは実際の婚姻には障害となるでしょう。これはムハンマド自身が異教徒との激しい戦闘に明け暮れ、その結果、孤児や未亡人が溢れたためこうした多重婚はその救済策だったと言われています。イスラム教の基本は次の「五行六信」です。

●五行(5つの行い)
イスラム教徒は以下のことを行います。
1. 信仰の告白
(アッラーの神が唯一であることを信じるという告白)
2. メッカの方角に毎日5回の礼拝
(夜明け・正午・午後・日没・夜間)
3. 喜捨
(生活費を除く年収の2.5%を貧しい人々に支払う)
4. 断食(ラマダーン)
貧しさを体験するために1年の内の一ヶ月間、日の出から日没まで断食しなければなりません。この間、喫煙はおろか性行為も禁じられます。
5. 巡礼
イスラム教徒は一生のうち一度はサウジアラビアのメッカへ巡礼し、その日はイスラム暦の10日間が決められています。
●六信(6つの信仰)
イスラム教徒は以下のことを信じます。
1. アッラー(神)の存在
2. 聖書の天使の存在

3. 啓典に書かれた内容
(「モーゼ五書」「詩編」「福音書」)
4. 予言者の存在
(モーゼ、キリスト、ムハンマド)
5. 最期の審判
(「復活の日」に神の審判を受けなければなりません)
6. 運命
(今、私たちの前にある現実は神が望んだ結果であり、その意志に従うこと)
この他にもコーランには食事、結婚、遺産相続など生活の細部まで規定しているため、確かに憲法にも成りうる側面を持っています。ですから、あなたが彼らに興味を持ち、彼らとスムーズな交際をはかりたいと願うのでしたら、イスラム教を学ぶことが近道とも言えるのです。また欧米社会に比べイスラム共同体は治安が良いと言われるのもコーランの中で犯罪に対する刑罰まで規定していることと無関係ではありません。その一方でイスラム共同体が、コーランで本来兄弟と定義しているユダヤ人やヨーロッパ人と互いに厳しく対立している原因は、過去の歴史にその原因があります。
この他にイスラム共同体には「イスラム暦」があります。日本の旧暦と同様の太陰暦を使っていますが、私たちの太陰暦は1年が354日となるために季節がズレたりしないようにうるう年で太陽暦に一致させています。一方、イスラム暦は純粋に太陰暦だけを使用しますので年間11日ずつずれ、33年間で丁度1年ずれて元に戻ります。つまりイスラム共同体のラマダーン(断食)はイスラム(ヒジュラ)暦の9月に当たりますが、その季節は冬になったり夏だったりします。この他にもイギリス連邦の一員として太陽暦、中国住民のための旧暦を併用しますから、マレーシアには3種類の暦とそれぞれの祝日が存在します。結局、互いの民族の生活には干渉しない一方で、異なる民族がお互いの生活を補い合っているようです。

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