設立趣旨

 今、鹿児島の経済は明らかな岐路に立っています。元々鹿児島には日本の大企業に代表される様な産業はなく、個人や中小の企業が主体とならざるを得ない状況でしたがその個人や中小企業が担っていた業務の多くを他のアジア各国が肩代わりするようになっています。他のアジア各国が年間10パーセント近い成長を続けるとともに日本国内ではグローバル化した大企業だけが利益を得る構造となっています。そのため近年鹿児島では大企業が狙うことのないすき間の中でビジネスを考えるに至っていますが、所詮すき間の産業では地域全体が経済的に発展することもありません。
大切なことは現在のグローバル化をいかにとらえるかです。近年、成長を続けるASEAN諸国の成功の要因を考える際、以下の事柄が日本に欠けています。 1.国際的に使用できる携帯電話の普及 2.アジアの各国間をつなぐ格安な航空路線 3.英語の普及 4.自由な市民による市場の形成、です。
さらにこれは何れもコミュニケーションに係わる問題であることが分かります。そして日本においてこれらが解決されていないのは主に東京に日本のセンターが集中し国内の市場を独占しているため様々な規制を取り払えないでいるためです。
では今まさに都市部からの自立を求められている鹿児島を開放することはできないでしょうか。ASEANの格安な航空会社が鹿児島に就航し、またASEAN諸国で使われている国際的な携帯電話が鹿児島でも使えるようになったとして、鹿児島の誰か困るのでしょうか。
多くの鹿児島の方々が英語を話せないというのであれば、すでに日常会話の中で英語が使われているASEAN諸国の人々から学べば良いです。日本の大企業が進出を果たしているアジアの諸国において今求められているのはフットワークの優れた中小の企業でありそのネットワーク作りです。それこそがこれからの鹿児島におけるビジネスに適していると考えています。地理的に日本本土において鹿児島は香港やASEAN諸国の玄関口に位置しており、東京とアジア諸国とを繋ぐ様々なコミュニティをつくることができます。また鹿児島県民は成長を続けるASEAN諸国の中でも未だに彼らと渡り合える経済力を持ち、日本で享受できる洗練された技術を元に新たなビジネスを創出することが可能なのです。
少なくとも10年以内には国内の航空会社も通信業界もさまざまな規制を取り払い国際化されることは確実ですが、その時点で鹿児島県が東京に追随する形では、地方の格差は今以上に開き鹿児島の経済が好転することもないでしょう。われわれ自らが進んでアジアの玄関口にいるというメリットを生かしASEAN諸国に学び国際化に取り組んでこそ今後の鹿児島県のビジネスを模索できると考えます。そしてこれらの国際化は我々自らが進んで受け入れない限りチャンスになることはないでしょう。
しかしながら現実には鹿児島県民は同じアジア人でありながら、これまで主に西洋に追随してきた東京のフィルターを通してしか世界を見てこなかったために、あまりにもASEAN諸国を知りません。このことは特にビジネスにおいては確かなチャンスを目の前にして大きなリスクを背負っているのと同じです。だからこそ私たちは今日積極的に他のアジア諸国のことを学ぶ必要があります。私たちはここ10年で国際化を果たしつつあるASEANの人々と比べても高い教育水準を持っています。学ぶ機会さえあれば必ず国際人として活躍できると考えます。
また東京で売られているものは全て鹿児島でも手に入ります。このことは多くのアジアの人々が学びたいと思っている勤勉をはじめとした日本の文化のエッセンスは鹿児島県にあるということです。それと同時に我々個々人の力でさえ多くのアジアの人々を助けることができます。またこれらの一連の交流は東南アジアの国々には存在しない老人介護や少子化の問題を日本国内で解消する糸口を見出すことも期待できます。
まずは様々な言葉を使って彼らと話すことから始めましょう。そして彼らの言語と文化を学び広くアジアを舞台としたビジネスを模索できる国際的な視野を獲得することです。また鹿児島県のタクシーの運転手やホテルの窓口においてアジアで使われている英語を話すことは主にASEAN諸国に滞在している何百万人という海外旅行者を鹿児島県に誘致することにつながるのです。
そこでこの法人は鹿児島県民全体に対して広くアジアの人との交流を支援する事業を行い、鹿児島県でアジアを舞台としたビジネスを創出するとともに、鹿児島県が日本の中でもより進んだ国際的な観光都市となることに寄与することを目的とし設立します。

2008年7月18日(設立認証時のものです)

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